2007年06月24日

「伝説の社員」になれ! 成功する5%になる秘密とセオリー

「伝説の社員」とは、どんな社員なのか。

社内で飛び抜けて出世している。あるいは別の会社に引き抜かれたり、自分で会社を立ち上げたりして大きく成功している。数字で言うと、トップから5%。ただ、その程度で「伝説」と言えるのかどうかは、この本の価値とはあまり関係がない。

非常に読みやすく一気に読めてしまうこの本に書いてあることは、言ってみれば、

「目先のお金を追い求めず、自分の価値を高めることに集中する。そのための努力を惜しまない。」

たったのこれだけである。

メッセージが単純な分だけ、この著者がそれを実践して「伝説の社員」となったことに興味を惹かれる。

ここぞという場所では、自分は安く売る。
出世しなくてもいいとの覚悟があるなら、よけいに、こわいものはありません。
もっと積極的に「出世はしない」、では「何をするのか、したいのか」を考えてみてもいいのではないでしょうか。

ついつい目先のことにこだわってしまうのが人間だと思うが、それを逆説的に捉え、あえて人と違うことをすれば、その他大勢から抜け出せる。

だから、成功するのは簡単です。 成功する五%の法則に当てはまる人、つまり聞いたことを実践し、習慣にする人間になればいいのです。
あなたは歯磨きを、すぐに効果がないからとやめてしまいますか? 習慣は、あなたを成功する五%の人間にしてくれます。

レバレッジ・リーディング」に、本に書いてあったことを条件反射的に実行できるようにする、と言う記述があった。これも要は、習慣化し、「自分のもの」にしてしまうことを目指している。

「伝説の社員」になる、ならないは、私にとってそれほど重要なことではない。だが、この本に書かれていることは実行していこう。

2007年05月19日

レバレッジ・リーディング

ビジネス書をいっぱい読もう、という本である。

その主張自体には何の異論も無いので、本を投資対象として捉える、他人の経験の疑似体験として捉えるといった、「多読」の動機付けの部分は違和感無く読めた。(私はだいたい1週間に2冊ほどの本を読んでいる。もっといっぱい読もう。)

私にとって最も印象的だったのは、本の読み方だ。具体的には「本を汚す」ということである。

本を読んでいてひらめいたアイデアや、著者の主張に対する自分の考えは、余白や白紙のページにどんどん書き込むべきです。メモやノートを用意して書くのも非効率的です。

このブログでは、読んだ本についてときどきこのような感想文(レビュー)を書いているが、本当はもっと多く書きたい。それができないのは、読んだときに「ここは面白い」とか「この辺のことをこう引用してこういう感想を書こう」などと考えていても、読み終わったときにはそれを忘れてしまったり、あるいは覚えていてもその箇所を探すのが面倒になったりするからだ。

メモ帳やテキストエディタを開いた状態で読書をすればそんなことは無いだろうが、私が読書をするのはたいてい通勤途中の電車の中であり、それは難しい。結果的に感想を書く頻度が減ってしまうのである。

が、それは単に私が「本を汚してはいけない」という常識に囚われていたからだということに気づかされた。ペンを一本持っておいて、読んだ時点で余白にメモをするなり、本文に線を引くなり、ページの角を折るなり、あるいはその全てをしておけばよかったのである。

この本はまた、本は自腹を切って購入すべき、と主張する。

なぜわざわざお金を出して本を買うのか。図書館で借りてはいけないのか。知人が貸してくれた本ではダメなのか。それは完全に自分の所有物にするためです。

もちろん、「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」でも触れられていた、投資することで自分にプレッシャーをかけるという面もあるだろうが、逆に言えば、自分でお金を出して買ったのなら、その本を「汚さなければ損」ということなのである(中古で売るという明確な目的を持っていない限り)。

ということで、早速この本は折り目と線とメモで汚されることとなった。おかげでこの記事も楽に書けている。

それ以外で面白いと思った点。

良いビジネス書を読むと、モチベーションがグッとあがります。
(中略)
朝の読書は、日々のモチベーションや仕事のリズムを作るペースメーカーの役割を果たします。

以前、「読書の効能」の中で、「読書は、やる気を出すためのエネルギー源である」と書いた。この著者はそれをより積極的に利用するために、朝一番に本を読了することにしているそうである。

なるほど、と思った。

「レバレッジメモ」について。

良書との出逢いが数回限りの特別な体験で終わらないようにするには、条件反射的に現実のビジネスで生かせるように、読書をシステム化することです。

この「条件反射的に」という言葉が響いた。なるほど、そのためには反復が必要である。そのためにレバレッジメモ(いわゆるアンチョコ)を作る。非常に良くできたシステムだと思う。

多読、読書後のフォロー、そして実践。まずはこの本自体をとっかかりに、やってみようと思っている。

レバレッジ・リーディング
レバレッジ・リーディング本田 直之

東洋経済新報社 2006-12-01
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おすすめ平均 star
starもう既に実践済の話でした。
star共感できる1冊
starこの本は間違いなく「買い」です

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2007年04月26日

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法

勉強本、というジャンルを今まで読んだことがなかったのだが、「俺と100冊の成功本」の社会人版ドラゴン桜!?「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」:[俺100]を読んで、すぐに注文してしまった。

私は、努力も意志も信用していませんが、もし、努力するなら、努力して勉強するのではなくて、勉強する仕組みをつくることに努力すればいいと考えます。
勉強法において差別化できるのは、道具とやり方です。人間、覚える能力とか意思の力には、そんなに大差はありません。そこを勘違いして、努力論に走るから、なかなか続かないのです。

この本の主題は、「ついつい怠けてしまう人間=自分」を無理なくうまく勉強が続くよう仕向ける、というメタな視点での勉強法である。

この考え方は、私には非常に自然に受け入れられる。というのも、私はそういったことがかなり得意だと自分では思っていて、これまで自分なりに実践してきたという自負もあるからである。

しかし、そのノウハウで本一冊書けるか、と言うと到底無理だ。そこでどんなことが書いてあるのか、この本がとても気になったのである。

読んでみると、予想通り(あるいは予想を超えて)、「ここまでやるか」という感じだった。仕組みづくりをここまでやれば、この著者のようなアウトプットも出るのだろう。無論誰でもできるというわけではないだろうが。

仕組みづくりの基本的な考え方は、会社からの強制を利用する、初期投資して自分にプレッシャーをかける、成果を目に見えるようにする、など、それ自体特に耳新しいものは無い。
だが、具体的なやり方では、考えさせられるものが豊富にある。(Lifehacks的にも非常に興味深いことばかりだ。)
たとえば親指シフトによるキーボード入力、耳からの学習(Audibleなど)は、あまり深く考えたことがなかったので、調べてみようと思う。また、「速読」について以前から気になっていたのだが、やはり取り組んだほうがいいのかなという気がしてきた。

また、勉強する対象としては、会計、経済、英語、IT、資産運用が例として挙げられている。

自分に関して言うと、会計については財務諸表はある程度は読めるレベルだ。それは主に資産運用のためであり、資産運用のスキルもこの本で書かれているレベルはとっくに超えている。経済(学)も、資産運用と関連していることもあって、基礎的なところは勉強した。ITについては、現在の会社での職業と関わりがある部分についてはプロフェッショナルだし、プログラミングスキル等を考えても、この本のレベルは超えている。

ただし、広く社会に通用する資格という意味では、何も持っていない。また、英語はTOEICで800弱なので外に向けてアピールするレベルではない。

プロとしての資質を証明するにも、基礎を固めるにも、どうせ資格試験の勉強をするのでしたら、最上級の級までとったほうがいいと思います。

この本を読んで、せっかく各対象に関してある程度の知識を持っているのに、それに甘んじているのは、ちょっともったいない気がしてきた。

とりあえずはTOEIC900点超を目指すことを考えてみようと思う。

まずは耳からの学習のとっかかりとして、AmazonRich Dad Poor DadのCDを早速注文してみた。これから、日常の「勉強する仕組み」の中に、うまく組み入れていこう。

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法勝間 和代

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007-04-05
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star「正しい努力の方法」を教えてくれる、誠実な本
star『受験は要領』以来の「目からうろこ」
star勉強本の決定版

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2007年03月02日

渋谷ではたらく社長の告白

渋谷ではたらく社長の告白
渋谷ではたらく社長の告白藤田 晋

アメーバブックス 2005-06
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starこんなもの?
star会社ごっこ
star一番、得をしたのは

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先日図書館に行ったとき、棚にあるのが目に付いたので借りてみた。発売当初書店に平積みにされているのを見て興味を持っていたのだが、結局読まずじまいだったのだ。

図書館で借りたその夜、眠る直前に、少しのつもりで読み始めたら止まらなくなってしまった。結局一、二時間程度で一気に読了してしまった。率直に言って非常に面白かった。

起業当初のエピソードは、会社経営というものががこんなに行き当たりばったりで良いのか、という感想を抱かせる。サイバーエージェントの成功を呼び寄せたものは、単なる幸運なのではないか、と思えてしまう。

では、なぜ彼の会社に幸運が訪れたのか? それは私にはわからない。しかし、彼のベンチャービジネスに賭ける信念や理念というものをその原因とする見方も、確かにあると思う。

面白いと思った点。

社員が週110時間働くことを目標にしていたという記述がある。

「週110時間ということは、9時に出社するだろ、そして深夜2時まで仕事する。それを平日5日間。あとは土日に12時間ずつ働くと110時間だ」(引用者注:実際には109時間。)

私が今までに読んできた、成功した起業者のエピソードには、長時間労働が当たり前のように出てくる。彼もそれを実践していた。

ただ、単に長時間働けばいいと考えていたわけではない。

始めたばかりの会社は取引もまだ少なく、はっきり言って、意外とやることが無くて暇なのです。ところが、長時間働くことが決まっているので、あまった時間に顧客見込みリストを作成したり、新規事業プランコンテストを行ったり、苦手な技術や経理に関する勉強をすることになります。
それらをすべてこなしているうちに、業績が伸び、新規事業が生まれ、やがて時間を決めなくても本当に忙しくなっていったのです。

そしてまた、長時間働く習慣ができているからこそ、本当に忙しくなったときにも対応できたのではないかと思う。

幸運も確かにあっただろう。だが仮にサイバーエージェントが駄目になっていたとしても、藤田氏はまた別のビジネスを立ち上げ、いつかは同じように会社を大きく成長させていたことは間違いないと思う。

2007年01月24日

ニュー・リッチの世界 The New Rich World

日本に新たな富裕層(ニュー・リッチ)が増えている。そのマーケット性に目を付け、ビジネスにしているのがこの書籍の著者である。

私が興味を持って読んだのは、「日本が富裕層にとって住みにくい国であること」を記してある部分だ。著者はそこにビジネスチャンスを読み取ったのだろう。ビジネスがどれほどうまくいっているのかは分からないが(どんなビジネスか、というのはこのサイトで見ることができる)、その内容はとても興味深い。

一方で、例えば子供の教育環境などは、一朝一夕ではどうしようもない。今後、日本のニュー・リッチが海外へ流出していくのは必至であると思える。

もちろん問題は、自分がどうするのか、ということだが。

所謂PT(Perpetual Traveler)になることは私の「願望」にはリストアップされていない。が、本書の感想は、そういう生き方を選びたくなるのも分かる気がする、といったところである。

ニュー・リッチの世界 The New Rich World
ニュー・リッチの世界 The New Rich World臼井 宥文

光文社 2006-11-21
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star発想に魅かれるものが多々あり
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2006年07月27日

今日、ホームレスになった

今日、ホームレスになった―13のサラリーマン転落人生
今日、ホームレスになった―13のサラリーマン転落人生増田 明利

新風舎 2006-07
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starこれが現実。
star明日は我が身・・・

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 会社帰りに立ち寄った書店で衝動買いした。

 橘玲が「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」のエピローグで書いていたホームレスについての記述が、それを読んで以来頭の中にずっと残っていた。また以前このブログで取り上げた同著者の「雨の降る日曜は幸福について考えよう」にもホームレスについての記述がある。(なお、前者の記述はWEB上に公開されているので、興味のある方は読んでみて欲しい。)

 この本には、読んだ誰もが自らの身に置き換えて考えざるを得ないようなリアリティ溢れる描写で、13人のホームレスの来歴と現状が綴られている。

 実際、そういう心配をしないで済む人間が、日本に一体何人いるのだろうか? 13人の中には、かつて年収2000万円を稼いでいた人、5000万円を稼いでいた人、あるいは16億円のビルオーナーだった人、などがいる。それでも、彼らはホームレスになった。

 ただ私は、「こんなホームレスを生み出すような日本社会はダメだ」などと言うつもりはない。

 言いたいのは、我々はリスクを認識する必要があること、そして認識したら何をすべきかを考えなければいけないこと、それだけだ。

 もう一つ。常識的なファイナンスの知識があれば、ホームレスにならなくて済んだはずの人が何人かいる。バブル崩壊前には、無理だったのかも知れないが。

2006年07月13日

ローマ人の物語

 われわれは、富を追求する。だがこれも、可能性を保持するためであって、愚かにも自慢するためではない。アテネでは、貧しいことは恥ではない。だが、貧しさから脱出しようと努めないことは、恥とされる。

ペリクレス(紀元前460年頃。塩野七生「ローマ人の物語2」より)

 理性に重きを置けば、頭脳が主人になる。だが、感情が支配するようになれば、決定を下すのは感性で、理性の立ち入るすきはなくなる。

ユリウス・カエサル(紀元前63年、ローマ元老院での発言。塩野七生「ローマ人の物語8」より)

 旅行に行くときは、その土地にちなんだ物語や小説を持っていくことが多い。

 例えば、ギリシアには呉茂一のギリシア神話を持って行った。タヒチには、北杜夫の南太平洋ひるね旅を持って行った。

 私とて、いつもいつも成功本やら投資本やらビジネス書やらを読んでいるわけではないのである。

 イタリアに行く際、以前から読んでみたいと思っていた「ローマ人の物語」の文庫版を買ったのだが、これが面白くてしょうがない。以前にも少し書いたが、一気に読んでしまうのはもったいないので、少しずつ少しずつ購入して、読み進めている。今は8巻の途中だ。

 ローマの歴史に興味を持った直接のきっかけは、岩明均の「ヘウレーカ」「ヒストリエ」を読んだことだと思う。これらの漫画の背景、地中海世界について知りたかったのだ。(学校の授業は、遥か遠い記憶だ。)

 ちなみに上記2作の漫画も抜群に面白いのだが、今回はローマ人の物語について書いているので、泣く泣く置いておき、本題に入る。

 どうも私は歴史に対する知識が少なく、この本を読む前は、二千年以上昔の人々の諸言行がこれほど…何と言うか、「理に適っている」とは思っていなかった。
 無論、その「理」は現在とは異なる。しかし、時代背景に適合しているという意味では、現在と何ら変わりは無いと言える。
 有史以来、人間は段々と進化発展をして現在の社会を形作ったのだというイメージを、何となくではあるが、持っていたのだと思う。つまり、二千年前は、未発展、未成熟の社会であった、というイメージを。私が理系で、科学及び科学技術の発展と社会そのものの発展を結びつけて考えがちなことも、そのイメージの原因だと思う。

 だが、この本が生き生きと描く世界を読むと、そのイメージが覆される。当然ではあるのだが、当時には当時の生活があり、文化があり、政治があり、経済があり、学問があり、歴史があり、…。それが、率直に言って非常に面白い。

 そして、冒頭に引用した二つの言。この本の登場人物は非常に多いが、例えば彼らから、何かを学べないわけがないではないか。

 おそらく、現在を生きる我々の諸言行も、やがて同じように未来人から顧みられるのだろう。人類の歴史上最も多くの犠牲を払って(犠牲を過去からの積算で考えれば当然だ)ここまでやってきたからと言って、我々は人類の歴史上決して特別な存在ではないのである。

 それにしても、なぜ、ローマ人(及び地中海世界の住人たち)は、初期の戦争ばっかりやっていた頃に鐙(あぶみ)を発明できなかったのだろうか? とても不思議だ。

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) 新潮文庫
ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)    新潮文庫塩野 七生

新潮社 2002-05
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starローマってすごい
starハードカバー版を持っている人にも
starローマの歴史に興味が無い人は読めない

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2006年07月06日

奇跡の経営

 先日、ある大学助教授の講演を聞いた。経営学の研究者だった。

 詳しくは記さないが、どうも時代遅れの感がある話で、その大学の経営自体を心配したくなるような内容だったがそれは置いておく。

 さて、以前就職活動と「奇跡の経営」という記事に、少しだけこの本のことを書いた。

 おそらく、アカデミズムの世界で研究されているような内容とは真っ向から対立するであろう話が、この本の骨子である。著者は、ブラジル・セムコ社のCEO、リカルド・セムラー。

 私はこの大して長くもない一冊の本に、本当に幾つもの、感銘を受ける箇所を見つけた。その中から特に二つ、書いてみようと思う。

ストライキをする社員が欲しいのは、お金ではない。

 1980年代半ばの米国自動車メーカーのストの話が載っている。労働者は厳しい冬の寒さの中、雪の中で、数ヶ月に渡ってデモ行進をし、ピケをはって、経営者サイドを悩ませていた。

 セムラーは、労働者側の要求する賃金アップと、経営者側が譲歩できたであろう額との差を試算してみた。するとその差は、一人の労働者にとって、小型テレビ1台分の値段でしかなかったそうだ。

 労働者は、そんなわずかばかりのお金のために、凍えそうになりながら、辛いストを展開したのだろうか? それは違うだろう、というのがセムラーの結論だ。

 私も、会社の賃金制度や考課制度、あるいは考課内容そのものについて色々と考えることがある。だが、その考えが「賃金」にのみ帰結するものなのか、と改めて考えてみると、確かに違う。

命令に従って行われるプロジェクトは成功しない

 トップダウン・マネジメントは、この本では明確に否定されている。

 一方で、あるプロジェクトの成否を開始前や実行中に予測し、Go or No Goの判断することは、経営学にとって永遠の課題であると言ってもいい。(どのプロジェクト案を採用して進めるべきか? 競合分析はできているか? 市場規模は? SWOTは? ブルーオーシャンかレッドオーシャンか?)

 だが、そもそもプロジェクトの成否とは何だろうか? 利益貢献だろうか? それとも売上高成長に寄与することだろうか?

 無論、様々な答があるはずだ。そして、セムコ社は最も優先すべき明確な答を持っていて、マネジメントはそれに従って行われている。(と言うよりも、行われていない。)

 冒頭に書いた経営学の助教授は、これを読んでどう思うのだろうか? 聞いてみたい気はしたが、あまり有意義な反応は得られそうになかったので、止めておいた。

奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメリカルド・セムラー 岩元 貴久

総合法令出版 2006-01-24
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おすすめ平均 star
starできたらいいなと思う。
starなんだ!これは!!!
starこうありたい

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 最後に、この本を読んだ後で思った。セムコ社は現在どうなっているのだろう? うまく行っているのだろうか?
 セムコ社のWEBサイトを見ても、上場していないのでIR情報なども無いし、よくわからない。が、読んでみた限り、セムコ社の方針に大きな変更は無いようである。

 蛇足ながらもう一つ。副題はあまり良くない。原題は確かに「THE SEVEN-DAY WEEKEND」だが、「週末発想のススメ」は、相応しくないだろう。何かの発想法、手法について書いた本のように思われてしまいそうだ。
 この本は、セムラーの経営哲学と、その実践について書かれている。それを表しているのがTHE SEVEN-DAY WEEKENDなのだ。

2006年04月12日

Life Hacks PRESS デジタル世代の「カイゼン」術

Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~
Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~田口 元 安藤 幸央 平林 純

技術評論社 2006-03-23
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 Life Hacks PRESS デジタル世代の「カイゼン」術を買った。総力特集の「GTD」を試してみたかったからだ。

 休日に、載っていた通りの方法でステップ2までをやってみた。ステップ1(収集)に3時間、ステップ2(処理)にも3時間、計6時間かかった。筆者の田口さんに倣って近所のカフェで行ったのだが、途中でお腹が空いてきてしまい、レストランに移動して食事を摂り、その後もずっと続けていた。長居をしてしまった。

 終わってみると、なるほど、確かに頭がスッキリして、自然と笑みが浮かんでくるような不思議な気分を味わうことができた。普段、いかに「あれもこれもやらなくちゃ」と思い悩んでいたか、実感できた。
 今はそういう「無駄な心配事」が、ほとんど頭に浮かんでこない。全部書き留めている、という事実が与えてくれる安心感がこれほどのものだとは、正直思わなかった。もっと早くやっていればよかった。

 ステップ3以降の日々の運用を、これから徐々に考えていこうと思う。とりあえず、以前から使っている手帳をうまく活用しよう。元ネタである「仕事を成し遂げる技術」も、ネットで注文した。届くのが楽しみである。

2006年02月03日

雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays

雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays
雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays橘 玲

幻冬舎 2004-09-10
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おすすめ平均 star
star日曜日に読むのはお勧めしませんが・・・
starこの世界には、こういう選択肢もあります。
starはい、初めての方はぜひ

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 分かる人にはすぐに分かると思うが、このブログの内容のうち少なからぬ部分は、この本の著者、橘玲氏(及び、海外投資を楽しむ会)に影響を受けている。
 私は、ゴミ投資家シリーズや、お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方など、彼らの一連の著作のうち何冊かを保有しており、そして、折に触れ読み返している。

 その中で、最も読み返す回数が多いのがこの本だ。

 これまでの著作との重複部分についてはAmazonのレビューなどを参考にして頂きたいが、私は重複については気にならなかった。今までの、いわゆる「HowTo本」的な著作とは違い、その背景となっていた考え方や思想といった部分がより前面に押し出されている分、表現が素直で、スッと頭に入るからだろう。
 逆に、本書を読んでその内容に全く賛同できない人は、HowTo本の方を読んでも、納得できないに違いない。

 さて、私には、残念ながら、本書の下敷きとなっている著者の思想について何かを語れるほどの知識は無い。理解も足りない。例えば、参考文献の説明から引用する。

 例えばある人が致死性の伝染病のワクチンを体内に持っているが、そのワクチンを取り出すと彼も死んでしまうという極限状況を考えてみよう。

 多数の伝染病患者がいた場合、彼には死んでもらってワクチンを取り出すべきか? それとも、あくまで彼の自由意志を尊重すべきなのだろうか? 多数の患者を犠牲にすることを厭わずに? 今の私には、よくわからない。

 それでも私は、この本が好きだ。著者の友人の自殺で始まり、私の目下の職業であるサラリーマンの悲哀(と表現してもいいと思う)を語り、ホームレスと世界的低所得者層の話で終わるという、およそ題名からは想像もつかない内容でありながら、なぜか、雨の降る日曜に読むに相応しい本だと思えるのである。

 その理由を今、あえて短絡的に表現すれば、「自由を感じるから」だろう。陳腐な表現だが、仕方ない。

 幸いなことに、本書の導入部分(Introduction)が、WEB上に公開されている。興味のある方は是非、読んでみて欲しい。

2005年10月31日

変な人が書いた成功法則

変な人が書いた成功法則
4062567326斎藤 一人

講談社 2003-04
売り上げランキング : 4,575

おすすめ平均 star
starこういった本を書くぞ!
starすばらしい!
stargamacchi

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 この本は、斎藤一人氏の最初の著作らしい。斎藤一人氏については、以前にも書いたので、ここでは述べず、この本で一番印象に残っている箇所についてのみ、記すことにする。

 一番印象に残っている箇所は、斎藤一人氏が「土地を買わない理由」である。

 ちょっと想像してもらいたい。日本で一番税金を納めている大金持ちが土地を買わない。・・・何か変な気がするのではないだろうか。普通、金持ちというのは土地を持っているのではないか? どうしてだろう。値下がりすることを予測したのだろうか? それとも何か事業を行う上での、都合なのだろうか?

 その理由について、斎藤氏は(死んだら財産はあの世に持っていけない、と書いた後、)以下のように記述している。

 それに、私には土地を買うということの意味がわかりません。
 土地の上には空がついています。どうして、その空までも売買できるのか・・・。意味がわからないものにお金を使いたくないのです。

 この本の中で、この一節、この一節だけが、本当に意味がわからない。斎藤氏の疑問の意味もよくわからないし、当然答えもよくわからない。だからこそ、一番印象に残っている。そして私が一番、気に入っている箇所である。なぜだかわからないが、読むと楽しくなる。

 ちなみにこのあと斎藤氏は、「土地を買うぐらいなら宝石を買ったほうがいい」と続ける。その理由も、何回読んでも、楽しくなってしまう。その答えも是非、想像してみてほしい。

現在の純資産総額:21,421,596円
30億円まであと:2,978,578,404円

2005年10月30日

新版 年収300万円時代を生き抜く経済学

新版 年収300万円時代を生き抜く経済学
4334783554森永 卓郎

光文社 2005-05-10
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おすすめ平均 star
star一貫したスタイルに拍手
starサラリーマンの幸せは報酬ではないと言い切っています

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 この本は、ベストセラーである「年収300万円時代を生き抜く経済学」と、その続編を再編集・文庫化したものだ。

 私は、上記の本を読むことを敬遠していた。理由は、著者・森永卓郎氏のものの考え方があまり好きではなかったこと、それから「年収300万円」なんて縁起が悪いと思っていたこと、である。

 前者の理由については、ここでは詳しくは述べない。ただ、最近はなんとなく彼の言うことが抵抗無く受け止められるようになってきた。無論諸手を挙げて賛成と言うことではないのだが、少なくとも嫌いではなくなってきた。
 そして後者の理由、すなわち「年収300万円」に対して縁起が悪いと思っていたという話であるが、最近、「縁起が悪い」と思うこと自体に、意味が無いと気づいた。この言葉を自分から遠ざけようが遠ざけまいが、私が30億円貯めると言う事実は変わらないのだ。

 むしろ、自分では興味を持っているのにもかかわらず、あえて読まないでいる本があるというのはおかしいのではないか。そんなようなことを「読みたくない本」という記事に書いた。その後すぐに、書店で文庫版を見つけた。すぐに買った。

 さて、内容である。現在および将来の日本の社会情勢に関する記述については、納得できるものがある。簡単に言えば二極化が進むということなのだが、その背景について親切に分かりやすく書かれている。
 またこの本の主題は、そういう社会情勢の中でどう生きるか、ということである。その答えとして、年収300万円で豊かに生きる心構えと方法が書かれている。それについても納得性が高く、なるほどベストセラーになるのもうなずける内容である。

 ただ、私はこの本に書かれているような生き方はしない。無論、年収300万円の対極にある「ビジネスエリート」として記述されているような生き方もしない。森永氏の予測する社会が来るのが間違いないのなら、私はその流れに逆らわずに、むしろ助けてもらいながら、30億円を貯めようと思う。

 余談だが、森永卓郎氏はブログも書いているようだ。→「つながるモリタクBLOG」。そこで目に付いた彼の新著書、「萌え経済学」。・・・さすが、日経BizPlusメイド喫茶について熱く語っているだけのことはある。

現在の純資産総額:21,278,530円
30億円まであと:2,978,721,470円

2005年09月22日

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

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4822740315ジェームズ・C. コリンズ ジェリー・I. ポラス James C. Collins

日経BP出版センター 1995-09
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おすすめ平均 star
star個人生活においても参考になりそうです
star企業家、起業家は必読の書
star良い会社とは

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 この本は、ビジネス・企業経営に関する名著である。私は、仕事と、株式投資と、さらには将来の起業の参考にするために読んでみた。

 だが、あまりにも「個人の願望実現」との共通点が多く、びっくりしてしまった。

 中でも私の願望実現と最もシンクロニシティを感じたのは、「BHAG(Big Hairy Audacious Goals)」である。意味は「困難で大胆な目標」だ。(文中では、「社運を賭けた大胆な目標」と訳されている。)

 調査対象となったビジョナリーカンパニーに共通する点として、以下の点が挙げられている。
  • 基本理念を持つ
  • 基本理念に沿ったBHAGを持つ
  • BHAGを達成する仕組みを作る
 私個人の活動を、企業活動として捉えてみると、このブログで掲げている「30億円を5年で貯める」は、まさにBHAGである。
  • まず、30億円を貯めることそれ自体は私の目的ではなく、基本理念と呼べるものは別にある。
  • ただし、30億円を貯めることが、基本理念に沿った大胆な目標であることは間違いない。
  • また、30億円を貯めるために身に付けようとしている、金持ちの考え方、成功に対する心構え、願望実現テクニックなどは、仕組みづくりである。
 なお、副収入を得るための実活動(株式投資やアフィリエイトなど)は、日々の利益を生み出す企業活動と同義である。こう考えると非常にすっきりする。

 さて、最初にも書いたが、この本は歴史に残る名著である(批判もあるが)。BHAG以外にも、ライバル企業との比較を含む詳細な調査の結果見出されたビジョナリーカンパニーの共通点が、見事に描き出され、まとめられている。ビジネス書としては必読の部類に入るだろうし、読んで損することは絶対に無い。私は続編も既に読んでしまった。
 ただ、成功法則、願望実現テクニックに対して知識のある人は、要所要所で、企業の成功法則と個人の成功法則の共通点に驚くのではないかと思う。


現在の純資産総額:20,576,552円
30億円まであと:2,979,423,448円
2005年07月27日

夢をつかむ イチロー 262のメッセージ

 昔付き合っていた彼女は、イチロー選手があまり好きではなかった。なぜかというと、「愛想が無いから」。ところが彼女は、なぜかサッカーの中田英寿選手のファンであった。女性の好き嫌いはよく分からない。
 2004年、メジャーリーグ新記録である「1シーズン262安打」を達成した、シアトル・マリナーズのイチロー選手。この本は、2001年から2004年までの各メディアでの彼の発言を「262個」集めたものである。
 確かにイチロー選手はメディアを「甘やかさない」ことで有名だ。例えば下の言葉など、いかにも彼らしい。

「調子がよくてもいいとは言いませんし、悪くても悪いとは言いません。それは、見ている人で判断してください。」

 だが、この本には、ファンに対してとても真摯な態度で物を語ろうとする、エンターテイナーとしてのイチロー選手の姿も、見ることができる。私は以前から、イチローが好きだった。この本を買った理由のひとつは、ファンとして彼の語っている言葉を聞きたいからである。

 そして、もうひとつ、私がこの本を購入した理由がある。彼は、前代未聞の成功者である。この本は、成功者の言葉を集めたという点において「成功本」であると言える。彼はどのように成功し、成功し続けているのか、そのヒントを得たいと思ったのである。



 結論から言えば、期待に違わぬ内容だった。
 それぞれの言葉については、人によって感じ方が違うだろうし、一概には言えないが、私がもっとも感銘を受けたのは、次の言葉である。

「今は、自分がわからないことに遭遇するときや、知らないことに出会ったときに『お、自分はまだまだいける』と思います。」

 2004年1月の発言である。一読すると、当たり前のようにも思える。わからないこと、知らないことを不安に思わず、ポジティブに捉えている、という単なる「プラス思考の実践」のように思える。
 だが、彼のような実績を残しているプレイヤーが、一体どういう境地でこの発言をしているのかを考えると、非常に重みがある。おそらく、プラス思考かマイナス思考か、などといった次元は、超えてしまっているのではないだろうか? その上で、今よりもさらに上へ行くにはどうすればよいかを常に考えているからこそ、このような発言ができるのではないだろうか。
 イチローが、上を目指す。言うのは簡単だが、すごいことだと思う。



 一方、編集面において、若干不満を覚えた点がある。この本は発言集だから、こんなことが気になるとは思っていなかったのだが。
 私は確かに「成功本」としてこの本を買った。だが、この本の編集においては「夢をつかむ」ということが前に出すぎており、読者に対する「押し付けがましさ」を感じてしまうのである。
 例えばこの本は五部構成になっていて、イチロー選手の言葉が「イチローの精神と目標」「イチローの準備と訓練」「イチローの不安と逆風」「イチローの形と野球観」「イチローの技術と結果」という風にカテゴライズされている。なぜそういう構成になっているかと言うと、編集者の前書きである「この本の使い方」に説明がある。

 はじめから順を追って読んでいくと「目標を立てて、準備と訓練を積み、本番の実行に移し、逆風があっても結果を出す」という独特の筋道が静かに見えてくるようになっています。

 ところが実際には、イチロー選手は2001年から2004年まで一貫した考え方でプレーをしているわけではない。試行錯誤もあるし、考え違いに後で気づいたりすることもある。例えば、49番目の言葉として、

「ミスショットの原因は気持ちの中にあると思っていたのです。だけど違っていました。技術によるものでした。」

 というのがある。一方そこからだいぶページを下った125番目の言葉に、

「メンタルな部分が及ぼす肉体への影響はとてつもなく大きいと感じました」

 とあり、それと同時に

「技術面の不安はないです」

 とも言っている。だが、49番目の言葉は2004年シーズン終了後、125番目の言葉は2003年シーズン中のものなのである。これはどう考えても、はじめから順に読み進めるべきではないだろう。
 編集側としては、発言の内容をカテゴライズするのではなくて、時系列に、シーズン中とシーズンオフに分けてまとめればよかったのではないだろうか。また、発言の意図を汲み取るような説明書きが多く見られるが、それよりも、いつ、どのような場所で、どのようなことを聞かれたときに発せられた言葉なのかを、それぞれの発言についてもっと詳しく書いて欲しかったと思う。

イチロー 262のメッセージ
4835615123『夢をつかむイチロー262のメッセージ』編集委員会

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star言葉の重みが違います!
star現実と向き合うための本

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2005年06月14日

斎藤一人の百戦百勝

 この本は、私が初めて購入した「斎藤一人」氏についての本である。斎藤一人氏については一言、日本で一番税金を納めた人である、こう書いておけばいいだろう。

 著者の小俣貫太氏は、斎藤氏のお弟子さんのようなものであるらしい。著者紹介にはこうある。

 幼少の頃、斎藤一人氏と運命的な出会いをし、その教えを受けながら成長。母の小俣和美氏とともに「斎藤哲学」のよき体現者の一人として知られる。

 本書の内容は、小俣氏が斎藤氏から教わった商売や人生についての「教え」をまとめたものである。(なお、私が購入したのは三笠書房の文庫版で、これは東洋経済新報社より刊行された「斎藤一人の百戦百勝」を分冊・再編集したものらしい。)

 さて、「弟子」だの「教え」だのと、何となく宗教がかった感じのする言葉を書いてしまった。実際この本の第一章にはいきなり「神様」の話が出てくる。また、そういう宗教的な話は随所に出てくる。

 だが、それが斎藤氏の教えの本質ではない、と思う。
 例えば第一章に出てくる神様というのは、「みなさま」、「おかげさま」という名前の神様だ。日本で商売をする場合、物を売るときは「みなさま喜ばれてますよ」と言って売り、買ってもらったら「おかげさまです」と礼を言う。それだけのことなのである。万事この調子なのだ。

 実際、納税額日本一の商売人が、どうやって商売をしてきたのか、普段どんなことを言っているのか、それを知ることができるというだけで、この本の価値は十分に値段に見合うと思う。

 さらに多くの人が、きっとそれ以上の価値を見出すことだろうと思う。私について言えば、「ゲツ」の話で惹きこまれ、「人間はイカの仲間」というくだりで大笑いし、この本を読み終える頃にはすっかり斎藤氏のファンになってしまった。また、付録のミニCDに入っている斎藤氏の肉声によるお話も、本の内容と同じように、とても良いものだった。
 そう、この本には文庫本なのに付録が付いていて、得した気分になれる。さすが「斎藤哲学のよき体現者」が書いた本である。

 この本を読み終えた後、私は「変な人の書いたツイてる話」、「変な人の書いたツイてる話〈PART2〉」の2冊を買い、もう読んでしまった。付録のCDも聞いた。(このことからも、ファンになったと言うのがウソでないことが分かるだろう。)
 この2冊についても後日詳しい感想を書こうと思うが、今、一言だけ書くとすれば、「こんな本を読めて、ツイてる!」。記事で紹介してくれた「俺と100冊の成功本」の聖幸さんに、改めてお礼を言いたいと思う。ありがとうございます。
斎藤一人の百戦百勝 (商売編)
4837974775小俣 貫太

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変な人の書いたツイてる話
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star長者番付1位・斉藤一人氏の講演
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変な人の書いたツイてる話〈PART2〉
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2005年06月06日

100億稼ぐ仕事術

 先日書いた本のうち、堀江貴文氏の「100億稼ぐ仕事術」を買って、読んでみた。文庫版が出たのは知っていたので、講演を聞く前から、一度読んでみようと思っていたのだ。

 Amazonのレビューで多くの人が書いているように、「普通」の経営書という印象だ。時折、(マスメディアによって我々がイメージする)彼独特の考え方が感じられる記述もある。創業メンバーとの確執や、新規ビジネスに関する他社社長の言を信じて結果失敗した話などは、現在の彼が形作られる重要な要素となっているのだろう。
 だが、概してそういう記述は少なく、メール処理などの個人業務、営業、会議の方法、コスト削減についてなど、実際の企業活動に関しての具体的な「仕事術」がメインだ。

 無論、この本に書かれていることが彼の仕事術、経営術の全てではないだろう。だが、この本に書かれているように、「普通」の感覚を持ち、また常識や基本に沿った経営をしていくことで、ライブドアという会社があれほどの成長を実現したということもまた、事実であろうと思う。
 そして、この「普通」のことができない企業の何と多いことか。私も一サラリーマンとして、自戒したい。


100億稼ぐ仕事術
100億稼ぐ仕事術堀江 貴文

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starとっても普通の本
star普通の経営書
star我々は一面しか見せられていない

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【関連記事】
堀江貴文氏の講演を聞いた


現在の純資産総額:18,391,486円
30億円まであと:2,981,608,514円
2005年05月11日

堤義明 闇の帝国

 以前、「堤義明 闇の帝国」を読んでみようと思う、と書いた。その後しばらくして本を購入し、そして読み終えた。

 1987年、世界一の金持ちとされた堤義明氏の転落、そして彼が支配した西武王国の裏側が、一人の記者によって生々しく語られる。陳腐な表現ではあるが、このような時代錯誤的な経営が現代の企業において行われていたことには、やはり驚きを隠せない。
 だが、この本を読んで堤義明の人物像や生き方から何かを得ようと思っていた私は、読み進むにつれ別のものに興味を奪われてしまった。それは、この本の著者についてである。

 この本の著者である七尾和晃氏は、「週刊新潮」の記者としてこの件の取材をスタートさせた。だが、西武からの圧力により、上層部に取材の中断を言い渡される。しかし彼はフリーとなり取材を続け、ついに堤義明氏転落の引き鉄を引くに至る。(あるWEBサイトでは、「堤義明の首を取ったジャーナリスト」と表現されている。)
 その記者としての執念、取材力もさることながら、文章力、表現力にも感服させられた。本書は、一級のエンターテインメントとしても読める。そして何より七尾氏は、私と同い年、まだ30歳(今は31歳か?)なのである。

 ただ、やはり尻切れトンボの感があることは否めない。それはもちろんこの本の上梓時期と、西武鉄道社長の小柳氏自殺や義明氏逮捕の時期の関係で、仕方の無いことなのだが。逆に言うと、この著者の本をもう一冊読んでみたいと思った。本書のような取材による現場感覚を取り入れつつ、日本経済界における西部グループと、逮捕に至るまでの堤義明氏を俯瞰して、表現し直して欲しいと思うのだ。
 七尾氏は本書のあとがきで、「ジャーナリストとしての活動を終了する」と書いている。文筆業に進むのだろうか? だとしたら上記のような本を書いて欲しい。楽しみである。

堤 義明 闇の帝国
七尾 和晃

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フィクションかと思った
西武崩壊劇の引鉄
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30億円まであと:2,981,849,366円
2005年03月08日

一冊の手帳で夢は必ずかなう ― なりたい自分になるシンプルな方法

 手帳を買わねばならない。年度末だからだ。
 私は、1年で使い捨ての薄い手帳を毎年買っている。普段、細切れのスケジュール管理は必要のない仕事をしており、また仕事そのものには仕事専用のノートを使っているため、それで十分なのだ。

 だが、今年は、使い捨てではなく、もっと立派で、ずっと使い続けられる手帳を買おうと思っている。なぜかと言うと、この本を読んだからである。


一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法

 この本の著者は、GMO・グローバルメディアオンライン株式会社の代表取締役会長兼社長の、熊谷正寿氏である。GMOという名前に馴染みのない人でも、9199.jp(クイックジェーピー)のテレビCMは、見たことがあるのではないだろうか。GMOについての詳細な説明はここでは省くが、サーバ事業やドメイン事業において圧倒的なシェアを誇る、日本を代表するIT企業の一つである。東証二部に上場もしている。

 さて、本の題名から予測できると思うが、この本には「願望を紙に書くと実現する」という、よく耳にする法則が出てくる。
 だが、この本で得られるのは、「願望実現テクニック」だけではない。この本を読むことで、大きな成功を収めたIT企業の経営者が、普段のスケジュール管理や仕事の進め方、会社の経営の仕方、あるいは個人目標の達成について、どのように考え、そして実践しているかを、手帳の使い方を通して知ることができるのである。それだけでも、本を買った元は取れるはずだ。
 例えば、私にとって、「目標の数値化」や、「問題が起こったときの対処」などは、普段の仕事をする上で、既に非常に役に立った。

 ただし、この本の根底に流れている考え方は、題名の通り、「夢を実現するためのツールとして、手帳をどう使うか」である。本の内容はこの考え方から離れることがなく、従って非常に一貫性がある。表現も平易で、とても読みやすい。自分の考えを、他人にこれほど自然に伝えられるところに、著者の頭の良さ、コミュニケーション能力の高さが表れていると思う。

 なお、現時点での私の考えを述べさせて頂くと、手帳の詳細な使い方は、無論、非常に参考になるのだが、一から十まで真似をする必要はないのではないかと思う。この本のやり方を、人それぞれ、自分なりのやり方に応用させていくべきだろう。要は、「夢を実現する」という目標達成のために、手帳を最大限活用すれば良いのだから。

 実を言うと、昨年この本を読んだ後、手帳をすぐに買い換えようかと思った。だが、まずは今ある手帳を活用することにして、「やりたいことリスト」や「未来年表」を書き込んでみた。もちろん、「30億円を5年で貯める」も書いてある。昨年まで、私の手帳はメモ用の白紙部分が余ってしまうことが多かったのだが、今年は一杯になってしまった。
 来月からは、新しい手帳にそれを書き写し、そして常に肌身離さず持ち歩くことにしようと思う。手帳の大きさはもちろん、バイブルサイズで。


 なお、この本に書いてあることを手軽に実践できるリフィール(手帳の中身)と、考え方や使い方を紹介するDVD(著者本人出演)のセットが販売されているので、下に紹介しておく。

夢手帳☆熊谷式(クマガイスタイル)スターターパック
熊谷 正寿

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 それから、図解版も出ているようなので、紹介しておこう。また、その下に、私が読んだ単行本(ソフトカバー)も、Amazonでの評価と併せて、改めて紹介しておく。

図解 一冊の手帳で夢は必ずかなう
熊谷 正寿

かんき出版 2004-11-30
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早速手帳を買いました!
熊谷氏の手帳は約13センチの厚さ!
図解はやっぱり分かりやすい。

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一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法
熊谷正寿

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手帳を離さないでおこう!
がんばってるのに、何故か空回りしていると日々感じる方へ。
様々な成功ノウハウの寄せ集め

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現在の純資産総額:17,823,452円
30億円まであと:2,982,176,548円
2004年10月10日

ウォール街のランダム・ウォーカー

 もし私が友人に、「株式投資を始める前に一冊だけ読んでおくとしたら、どの本がいい?」と聞かれたとしよう。私は「一冊だけ?」と聞き返す。

「そう、一冊だけ。何冊も本読んだり、色々勉強したりするの、面倒くさくて。」

「・・・それなら、この本かな。その代わり、斜め読みじゃなくて、熟読してちゃんと理解した方がいいよ。」

 そう言って私が手に取るのは、多分この本である。

RandomWalker
ウォール街のランダム・ウォーカー

 この本が個人投資家に発するメッセージは、非常に単純だ。もっとも、その意味するところと価値を理解するには、実際にはかなりの思索(そして人によっては実体験)を必要とするだろう。メッセージを私なりにまとめると、以下のようになる。
  1. 株式投資に労力をかけるつもりがないなら、低コストのインデックスファンドをドル・コスト平均法で買え。
  2. 株式投資に労力をかけるつもりがあるなら、一株当たり利益、株価収益率、利益の成長率といった基準が将来的にも平均を上回るような銘柄を選び、かつ取引回数を少なくしろ。(ただし実行するのは非常に難しい。)
 冒頭の面倒くさがりの友人は、「1.」の方を選ぶはずだ。それ以外の投資戦略を下手に取ることがいかに危険かを、この本は説明してくれる。だがもし友人の気が変わり、株式投資に労力をかけようと思い直したならば、「2.」の戦略を取るために別の本を読むなどの勉強を始めることと思う。ちょうど私のように。

 ここで、株式投資に関して知識のある読者のために少し説明しておく。この本の主張は(単純であるにもかかわらず)誤解されやすく、旧版を含めこの本のAmazonのレビューを読んでみると、「1.」の内容が強調されているものが多いようだ。そして、この本が現代ポートフォリオ理論やその背景となる効率的市場仮説を盲信しているかのような批判へとつながっていく。(タイトルのせいもあるのだが。)
 しかしこの本は、効率的市場仮説の礼賛本ではない。上記「1.」は、労力をかけずに市場全体と同じリターンを上げられる、という理由で勧められており、効率的市場仮説から理論的に導き出されたから信じろ、と主張しているわけではない。(結論は同じになるにしても。)
 著者であるバートン・マルキールの考え方は、効率的市場仮説信奉者を揶揄する例の有名なジョークに対する答えに集約されている。そのジョークとは以下のようなものだ。
 効率的市場仮説信奉者のファイナンス教授と、その学生が道を歩いていた時、10ドル札が道端に落ちていた。学生が10ドル札を拾うと、教授はそれを大声でたしなめた。「君はまだわかっていないのかね。もしこれが本物の10ドル札だったなら、もうとっくに誰かが拾っているはずさ」
 マルキールだったら何と言うのか、それはこの本を読んで頂きたいと思う。

 さて、株式投資に関する知識が全く無い読者には、この本の内容は少しばかり高度過ぎるかな、とも思う。それに分量も多く、読み終わるには相当の時間がかかるだろう。だが、この本は、株式投資本には稀な読みやすさを備えていて、実際何度も読み返したくなる。ここで言う読みやすさとは、簡単なことが書いてあるのではなく、高度な話が簡単に理解できるように工夫されて書いてあるということである。(簡単なことしか書いていない株式投資本は多数ある。)過去のチューリップ・バブルや南海泡沫バブルの話などは、一つの歴史小説のように非常に興味深く読めてしまう。また、ジョークも気が利いていて、テクニカル分析について説明している章などは、思わず笑ってしまうこと請け合いである。最初はとっつきにくいかも知れないが、とりあえず読み進めてみることをお勧めする。

 最後に。私の現在の純資産総額におけるインデックスファンドの占める割合は、数パーセント程度といったところだ。今後この割合を増やそうとは、今は考えていない。私は「2.」の戦略を拡充していくつもりなのである。それには、この本以外も勉強する必要があるが、この本に書いてあることは、今後も忘れずにいようと思う。少なくとも、「向こうに10ドル札が落ちているぞ」という噂や助言に従うのだけは止めよう。


現在の純資産総額:15,842,340円
30億円まであと:2,984,157,650円
2004年09月23日

ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門

 このブログでは折に触れ書籍を紹介しているが、内容や感想をきちんと書いたことはなかった。今回は、一冊の本について、私の思うところを書いてみようと思う。読書感想文だ。これは今後も続けていこう。

 今回紹介するのは、「ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門」である。

ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門
ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門

 この本は、私が買った最初の資産運用関連の書籍である。これを買う少し前に、初心者向けの株式入門本を一冊、人から借りて読んだ。株とは何か、とか、ネット証券に口座を開きましょうとか、そういった類の情報が載っている本だ。読後、自分でもう少し詳しい本を買おうと思い、会社帰りに訪れた書店で、何気なく手に取ったのがこの本だった。

 なぜこの本を買ったのか、いや、それ以前に、数ある株式投資本の中でなぜこの本を手に取ったのか、実を言うとあまりよく覚えていない。おそらく、この「ゴミ投資家」という一見変わった言葉に惹かれたのだろうと思う。

 ゴミ投資家とは、「保有資産一億円未満の投資家」のことである。おそらく大多数の人がそうであるのと同様に、私も(現在のところは)ゴミ投資家だ。この本には、そういったゴミ投資家が資産を運用して儲けるにはどうすればいいか、が述べられている。

 と言っても、その結論は序文(プロローグ)にはっきりと書いてある。「ゴミ投資家にとっての最大の資産運用は働くことである」と。それに続けて書いてある通り、実際、身も蓋もない。

 それ以外にも、「日本の証券会社にはもともと資産運用能力などなかった」「役に立たないチャート分析」など、株式投資を学び始めの人にはかなりショックな表現が、惜しみなく出てくる。逆に、ある程度の知識や考えを持っている一部の人には、気に障ることだろうと思う。が、少なくとも私は、目から鱗が落ちる気分を何度も味わえた。その感動(と言うと大げさかもしれないが)は未だに忘れられない。

 一方で、現代ポートフォリオ理論(MPT)や資本資産評価モデル(CAPM)の基本について、平易に、かつかなり詳細に解説してあることが、本書の特徴である。他の株式投資本を見ても、これ以上の情報はなかなか得られない。実際、ここから先を学びたかったら、少し学術的な文献をあたる必要があるだろう。また、債券投資についても、かなり詳しく言及してある。

 ただ、私が読んだ上で(あるいは今読み返した上で)は、欠点もあると感じた。ここでは二つ挙げておきたい。

 まず、MPTやCAPMについて、かなり過信した書き方をしていると思う。過去の株価データから算出した共分散や相関係数が未来にもあてはまる保証はない。数学的な証明と実践での証明を混同しているように思える。

 また、欠点とまでは言えないかも知れないが、「ゴミ投資家のための人生設計入門」「ゴミ投資家のためのビッグバン入門」に言及している箇所が多く、これらを読まないと、少し消化不良な気分になってしまう。私は二冊とも買ってしまった。

 ともあれ、私は株式投資を始める前にこの本を読むことができて、とても運が良かったと感じている。証券会社の推奨銘柄を購入してもあまり得していない、どんなテクニカル分析手法が役に立つのか分からない、そういう人にはぜひ読んで頂きたい本だ。

 無論、この本を読んでも、全く価値を見出せない人もいるだろう。そういう人がいればこそ、市場は完全に効率的ではないのだ。


現在の純資産総額:15,500,949円
30億円まであと:2,984,499,051円